ITエンジニアは不足状態なのでプログラミング未経験でも正社員での就職がしやすいのですが、そうは言っても未経験から就職できる企業は限られます。そのため、正社員よりも就業しやすい派遣エンジニアからキャリアをスタートさせる人は結構いるんですよね。派遣は就業のハードルが低いので。
しかし、派遣ということは正社員と違って有期雇用なので、いつ契約を切られるか分かりませんし、時給制で給与は営業日数に左右されるので正直言って安定はしていません。それゆえに、派遣エンジニアは正社員以上に将来のキャリアを考えながら働く必要があるんですよね。
派遣エンジニアになる前に、まずは派遣がどういうキャリアを歩むことができるのかを知っておきましょう。僕もそれらを知ってから派遣エンジニアになることを決めました。
実際に派遣エンジニアとして働いている僕が自分自身の経験や、周りの派遣エンジニアの例をもとに将来どのような選択肢があるのかを紹介していきます。
派遣エンジニアは将来のキャリアをしっかり考えておくべき
派遣エンジニアは数ヶ月ごとの契約のため、いつ契約が終わるか分からないという不安定なところがあります。ITエンジニアの求人は山ほどあるので、もし契約を切られたとしても次の就業先はまず見つかりますが、そうは言っても年齢を重ねるごとに就業のハードルは高くなってきます。
また、派遣法には個人と事業者にそれぞれ3年ルールというものがあります。
まず事業者には事業者抵触日というものがあり、初めて派遣社員を雇った日から3年が経つと派遣社員を働かせ続けることができなくなります。ただし、労働組合の過半数から意見聴取を行うことでさらに3年延長することが可能。
そして、個人での3年ルールとは、同じ事業者で3年以上続けて働くことができないというものです。この3年の期間中に事業者抵触日が来た時も働けなくなります。しかし、例外として部署異動や関連会社などへ異動となった場合はこの規則は適用されません。
この3年ルールがあるためにどんなに派遣先で結果を残していたとしても、3年経つと契約が切られるというリスクがあります。
だからこそ、派遣エンジニアはいつか他の働き方に移行していく必要があります。
派遣エンジニアはミーティングの場には参加しないことが多いので、基本的にコードを書く時間が正社員よりも長い傾向にあるんですよね。コーディングに集中できるのでスキルアップを図りやすいですし、そのような派遣エンジニアのメリットを生かしてスキルを積み上げながら、良い条件で転職するのが派遣エンジニアの上手なキャリアの歩み方です。
派遣エンジニアのキャリアの選択肢とは
具体的な派遣エンジニアの将来のキャリアとしては以下の3つがあります。
- そのまま正社員登用
- 転職して正社員
- フリーランス
それぞれの選択肢について説明していきますね。
そのまま正社員登用
派遣会社が扱っている求人案件の中には正社員として働くことを前提とした紹介予定派遣というものがあります。最初の数ヶ月は派遣社員として働いて、その後正社員に移行していくという流れですね。
これとは別に、派遣先企業から認められて正社員として雇いたいという申し出がある場合があります。これは派遣先企業で結果を残して正社員として雇いたいと思われたタイミングか、派遣法で決まっている事業者や個人の3年ルールを超えるタイミングになります。派遣で3年以上雇いたい場合には、事業者には雇用申し込みの義務が発生するんですよね。
転職して正社員
他社に正社員として転職するという選択肢ですね。
未経験から正社員就職できる企業は限られると言いましたが、派遣エンジニアとして実務経験を積んでからだと採用を条件に合う企業は増えます。未経験の時には求人に応募できなかった大手企業で働ける可能性もありますし、より良い条件で転職できる可能性が上がります。
給与はある程度固定されているので収入は安定していますが、派遣エンジニアと比べると大幅に給与アップになることはないでしょう。
フリーランス
フリーランスとして業務委託という形で企業で働くという選択肢もあります。ちなみに僕はフリーランスになることをおすすめしています。
フリーランスは保険料や税金を自分で納める必要があるので、大変な面はありますが単価が圧倒的に高いから稼げるんですよね。職種にもよりますが、だいたい3年の経験があれば相場は60万円と言われています。実務経験1年でも月30~40万円は全然可能ですね。
フリーランス案件紹介エージェント大手のレバテックフリーランスだと登録エンジニアの平均年収は801万円とのこと。実際にこのフリーランスエンジニアの高年収が魅力的なので、派遣エンジニアからフリーランスエンジニアになる人も多いです。
派遣中はとにかくスキルアップに専念
派遣エンジニアから正社員やフリーランスになる際は、派遣中にどのようなスキルや経験を積んだのかが重要視されます。使用する言語が変わるぐらいであれば大きな問題はないですが、例えばインフラエンジニアからWebエンジニアになって職種が変わるようなことになるとほぼゼロからのスタートとなります。最短で派遣から正社員、フリーランスになりたい場合には一つの職種でスキルを積み上げていきましょう。
また、派遣先でどのような言語を使ってどのような業務をしたのかはしっかりと整理しておきましょうね。それに加えて、派遣中から自分でオリジナルのアプリケーションを作ったり、各地で開催されている勉強会に参加したり、職務経歴以外にもアピールできるものを持っておくとなお良いですね。プログラミングを学んだり、アウトプットへの意欲は重要視されるので。
結論:派遣エンジニアでも将来は安心
実際に、僕は派遣エンジニアから正社員エンジニアになり、さらにフリーランスエンジニアになれたので、派遣エンジニアだからといってキャリアを形成する上で悪影響になることはありません。
収入の面でも派遣エンジニアは年収400万円台は全然実現可能ですし、年収500万円以上も当然狙えます。もしも未経験からエンジニアになるなら派遣も正社員も給与は同じぐらいになるでしょうね。
日本ではエンジニアに対して学歴や専攻はそこまで需要視されないですし、他業種からの転職もしやすいです。未経験者でも受け入れられやすく、難易度は上がるものの30代や40代からでもエンジニアになれるんですよね。
まずは、自分が派遣エンジニアになったらどれくらいの時給でどんな企業で働けるのかを派遣会社に登録して確かめてみてください。下記の記事で紹介している派遣会社はどれもWebから登録できますし、会社によっては電話で丁寧にヒアリングしてくれて案件を紹介してくれますよ。